[10] 動 揺

ペット探偵物語 ~僕の76日間迷子猫捜索活動記録~


まあ、当然のことながら
僕はかなり動揺してたんだけども、

アタフタしてもしかたないので
おばあちゃんに丁寧に礼を述べると、

早速、地図を確認して
問題の豆腐屋さんへと車を走らせた。
 

ドン、ドン!・・・ドン、ドン、ドン・・・!

教えてもらった豆腐屋に到着して
作業場の扉を何度もたたくと、

中から不機嫌そうにご主人が出てきて、

僕はその強面に
ビビりそうになったが、

逸る気持ちを抑えて、
リュックからチラシを取り出した。

するとその瞬間、親父さんの顔色が、


・・・・サーッと変わった!


「うん、このネコじゃ!」
「たしかにこのネコが死んどった~!」

「 ・・・・! 」

そして親父さんは
ネコが轢かれていた場所まで案内すると、

発見したときの様子や状況を
詳しく話してくれた。

「昼前に保健所の人が
片付けていったんじゃけどね。」

言われてみれば、
現地にはうっすらと血の痕が残っている。

僕はそれをゆっくりと手でなぞった。

なんだかまだ生暖かい感じがする。

「・・・・・」

佇む僕とそれを見守る豆腐屋のご主人。

その二人の傍らを
猛烈なスピードで車が駆け抜けていく。

確かにここの交通量はハンパじゃない。

ネコなんかの小動物にとっちゃ、
これほど危険な場所はないだろう。

「どうもお騒がせしてすみませんでした。」
「教えていただきありがとうございます。」

僕はがっくりと肩を落として
その場を離れた。

それからしばらくの間
すっかり途方に暮れてしまって、 

もう、頭ン中が、

グッ、チョ・・ン、・・・グッ・・チョン

こんなとき僕は、どうすればいい?

もっと詳しく事実関係を確認したいけど、
どうすればいいのかが僕にはわからない。


・・・・彼に訊くしかないか?
 
僕はポケットから携帯を取りだすと
久しぶりに探偵さんのナンバーをアップした。
 
トゥルル、トゥルル、トゥルル・・・・、

数回呼び出し音が続き、
その後にガチャっと音がして、

 
・・・・懐かしい声が聞こえた。


(話すのは何日ぶりだろう?)


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ミラクル銀河伝説

Author:ミラクル銀河伝説
福岡市早良区在住のギター弾きです。人前で演奏するのが好きですが、自分の演奏だけはお客さんが集まらないので、地元の実力派ミュージシャンにご協力戴いてイベントを主催しています。出演希望の方は奮ってご応募ください。/参加費無料(ギャラも無ごめんなさい)
[アドレス]mail@gingamusic.com

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