[03] 依 頼

ペット探偵物語 ~僕の76日間迷子猫捜索活動記録~


傷心の盆休みが終わり、
翌日から職場に復帰した。

本業の夏はとんでもなく忙しい。

朝から晩まで休む間もなく働いて、
声は枯れるし体力も激しく消耗する。

しかしこうやって
忙しくしている間は、
あの悪夢の出来事を忘れることができた。

職場のみんなも頑張っている。
僕も負けるわけにはいかない。

ところが仕事を終えて帰宅し、
それまでの緊張から解放されると

その反動で
気持ちは暗闇へと叩き落とされた。

そう、
いっつも僕の傍らをついてまわって
思い切り甘えまくっていた

・・・・あやつがいない。

いくら探しても、
どこにも見当たらない。

一度は永遠の別れを覚悟したものの、

そして

「もしこれで死んだらそれは寿命なんだ、
仕方がない」と強がってみせても

実際そんなに簡単に
割り切れるものではなかった。

運悪く2004年の夏は台風の当たり年で、
次から次へと猛烈な嵐が
この地域に襲いかかっていた。

はたしてあやつは
生き延びることができるだろうか?

どうしても心配でたまらない僕は、
暇を見つけてはネットで
迷子猫に関する情報を集めた。

そしてそこではじめて
ペット探偵という存在を知ることになる。

「なるほど、こんな仕事があるのか?」

読めばなかなか興味深い案内や
記事が書いてある。

そうやって
いくつかのホームページを
読み漁っていくうちに、


・・・・僕は、気づいた。


(1)あやつが逃げてから、
僕はやってはならないミスを犯していた。
(見つからないのは当然だった)

(2)しかしそれでも、
 あきらめずに探せば
今回は発見できる可能性が高く、

 そういった意味では
非常に恵まれたケースである。
(自宅から現地までが少し遠いことを除いて


(3)そしてあやつは、
 今も確実に生きていて、

僕が捜し出すのを


・・・・ じ  っ  と  待  っ  て  い  る  !


散々考え抜いて、僕は嫁さんに相談した。

「本当は現地に赴いて毎日でも探したいが、
 何しろ今は身動きがとれない。」

「ついては、東京からペット探偵を呼んで
捜索を依頼したい。」

「出張料や交通費・宿泊費込みで
25万ほどかかるが、いいか?」

(首都圏近郊なら7~8万くらいで済むそうだが・・・・)

すると嫁さんは洗濯物をたたみながら
「あんたがそうしたいのなら、やればいい」
と言ってくれた。


「ありがとう。恩にきるよ。」
そう言うと僕は、すぐに携帯を取り出して

・・・・東京のとあるペット探偵にコールした。


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ミラクル銀河伝説

Author:ミラクル銀河伝説
福岡市早良区在住のギター弾きです。人前で演奏するのが好きですが、自分の演奏だけはお客さんが集まらないので、地元の実力派ミュージシャンにご協力戴いてイベントを主催しています。出演希望の方は奮ってご応募ください。/参加費無料(ギャラも無ごめんなさい)
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